親知らずの抜歯

親知らずの抜歯というと、なんだか怖いイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
実際、症例によっては大掛かりな手術になることもあり、術後に痛みや腫れが出てしまうこともあります。
ですが、全ての親知らずの抜歯が大変なわけではなく、比較的スムーズに抜歯できることもありますので、事前にしっかりと診断し、抜歯によるリスクを洗い出しておくことがとても大切です。
当院では親知らずの状態や症状を見極め、保存・抜歯の適切な診断を心がけています。
抜歯した方が良いと判断(もしくは診断)された場合にも、痛みを抑えたスムーズな抜歯を行い、術後の負担の緩和に努めております。
また、必要な場合は大学病院へご紹介させていただきます。
現在、親知らずに違和感や痛みを感じておられる方は、ぜひ一度当院にて親知らずの診断をお受け下さい。
抜歯後の痛みや腫れについて

親知らずを抜歯するときにどれくらい時間がかかったかは、術後の痛みに比例するといわれています。つまり、親知らずが複雑に生えていた場合、術後の痛みが強く出る可能性があるということです。
そのため当院では、事前の検査やシミュレーションをしっかり行い、スムーズかつ的確な抜歯を心がけ、痛みや負担の軽減に努めております。
担当の歯科医師が適切な診断を実施、丁寧かつ正確な抜歯を行いますので、どうぞご安心下さい。
抜歯後の痛みを引き起こすドライソケット

親知らずを抜いた部分にはぽっかりと穴が空きますが、血餅と呼ばれる血の塊が形成され、細菌の感染や痛みから患部を保護してくれます。
しかし、何らかの原因で、その血餅が剥がれてしまうと、強い痛みがでることがあります。これがドライソケットという状態です。
ドライソケットを放置していると痛みが長時間続きます。抜歯後は患部が落ち着くまで、何度もうがいをしない、食事の仕方を工夫する、患部を吸わないなど、ドライソケットにならないよう心掛けましょう。
親知らずは「抜いたほうがいい?」「抜かなくていい?」
親知らずは、10代後半~20代前半頃に生えてくるので、「必要な歯なの?」と疑問を感じる方が多くいらっしゃいます。
確かに、親知らずが他の歯を押して歯並びが悪くなる、磨きにくく、むし歯になってしまったというトラブルが起こるのも事実です。
しかし、すべてのケースで親知らずを急いで抜く必要はありません。
むしろ、悪さをしていないのであれば残しておいたほうが良い場合もあるのです。
抜かなくても良い親知らず

下記の条件を満たす親知らずであれば、無理に抜歯する必要はないでしょう。
親知らずがまっすぐに生えており上下の親知らずと噛み合っている
むし歯や歯周病の症状がなく、周囲の歯に悪影響を及ぼしていない
歯茎が覆いかぶさるなどのトラブルがなく、歯磨きがしっかりと出来ている
状態のいい親知らずは、ほかの奥歯が悪くなって抜かなければならない場合に、その部分へ移植(自家歯牙移植)することができる可能性もありますので大切にケアしながら、将来のリスクのために温存しておくことをおすすめします。
抜いたほうが良い親知らず

親知らずが口腔内や周辺の歯に悪影響を及ぼしている状態であれば、できるだけ早めに抜いたほうが賢明です。
また、将来的に悪影響を及ぼすことが予想される場合でも、若いうちに抜いておいた方が良いでしょう。
あごの骨は20代後半から徐々に硬くなっていきますが、骨が硬くなると抜歯に時間がかかってしまうため、若い人と比較して術後の腫れや痛みが強くなる傾向があります。
また、年を取ると免疫力が落ちて術後の回復が遅くなりますし、女性の場合ですと、妊娠出産の時期には女性ホルモンの関係で歯周病リスクが高まるため、親知らずが炎症を起こして苦労するケースも多々あります。
妊娠中の親知らずの抜歯や、高齢になって体力・免疫力が低くなってからの抜歯はなるべく避けたいので、下記のような場合は早めの抜歯をおすすめします。
親知らずが少しだけ出ており、それ以上生えてこない
親知らずの生え方が斜めだったり横に倒れていたりすると、むし歯や歯周病の原因になる可能性が高くなります。
親知らずが手前の歯を押しており、歯並びが悪くなっている
横向きに生えている親知らずを放置していると、隣の歯を押して歯並びが悪くなることがあります。
親知らず周辺に嚢胞(のうほう)ができている
レントゲンを撮ると、歯ぐきの中にある親知らず周辺に袋状の影が見える場合があります。
これは嚢胞と呼ばれるもので、放置しているとトラブルを引き起こします。
親知らずのかみ合わせが悪く、歯ぐきや頬の粘膜を傷つけている
上下の親知らずが噛み合っていないと、どんどんと伸びてしまいます。
すると、歯ぐきや頬の粘膜を噛みやすくなり、痛みを引き起こす原因になります。
顎関節症にもつながるという意見もありますので、抜歯をすすめます。
親知らずがすでにむし歯や歯周病になっている
奥歯のさらに奥に生える親知らずは、歯磨きをしにくいのでむし歯や歯周病になりやすくなります。
たとえ正常に生えていたとしても、むし歯や歯周病になっている場合は抜いたほうが良いでしょう。
女性は妊娠前に親知らずの抜歯をおすすめします

妊娠中はホルモンバランスが変化するため、親知らずが急に痛み出すことがあります。
胎児への影響なども考え、麻酔やお薬の内服などを控えていただくなど、状態によってはすぐに抜歯が行えない場合もございます。
そのため、将来親知らずが問題を起こしそうな場合には、できるだけ妊娠前の抜歯をおすすめしております。
現在、妊活に取り組んでいる方や妊娠のご予定がある方は、歯科医院にて親知らずの状態を一度確認してもらいましょう。