インプラント

「インプラント」とは、失われた歯を回復するための方法で、日本では「人工歯根」ともいわれています。
インプラントは、事前の的確な診査診断のもと、技能のある歯科医師が手術を行えば、インプラント治療自体は成功率の高い治療法です。
しかしながら一方で、歯科医師のインプラント治療に対する知識や技術不足、患者さまへの説明が不十分であること等から、さまざまなトラブルや失敗が起きていることも残念ながら事実です。
仮にインプラントにトラブルが起きてしまった場合でも、再治療(リカバリ)をすることでうまく機能させることもできますが、インプラントのやり直しは、患者さまにとって大きな負担になってしまいます。
当院では、インプラントを入れる前に事前にリスクを洗い出し、口腔内の環境をキレイにしたうえで万全の体制で治療に臨めるよう、以下の診査を必須としております。
インプラント治療前の3つの診査項目
1.口腔内の診査
全身疾患の有無
インプラント予定部位の骨、歯ぐきの診査
歯ぎしり、食いしばりなどの癖の有無
残っている歯の歯周病の状態(歯周病菌の検査をすることがあります)
残っている歯のむし歯の状態(むし歯菌の検査をすることがあります)
噛み合わせの状態
CTによる精密診断
安心・安全な治療をご提供するためにCTを完備し、精密な検査を行っています。
CTとは、放射線などを利用して物体を操作し、断層撮影した画像をコンピュータ処理することで、肉眼では確認できない物体の内部を3次元グラフィックスとして表示する機器のことです。
CTを用いることで、インプラントを埋め込む骨の状態、埋め込むべき骨の位置などを正確に把握でき、より成功率の高いインプラント治療が可能になります。
2.生活習慣の診査
ブラッシングの状態の確認
喫煙の有無
3.通院に関する相談
治療期間や治療費
通院頻度などの相談(治療後の定期的なメンテナスも含みます)
当院で行うインプラント治療
スペシャリストによるインプラント治療

インプラント治療は、高度な技術と専門的な知識・設備を必要とする治療です。また、数々の症例を診てきた「経験値」も必要とされます。
当院では、インプラント治療におけるスペシャリストである歯科医師も在籍しておりますので、リスクを抑えたインプラント治療が可能となります。
しかしながら、インプラント治療はあくまで治療の選択肢の一つ。スペシャリストが在籍しているからと言って積極的にインプラントを勧めるということはありません。
まずは、本当に抜歯が必要かどうか、歯を残す手段はないのか。また、どうしても抜歯が必要な場合でも、自分の歯を活用して移植する自家歯牙移植などの方法が適用できないかなど、あらゆる方法を模索して提案します。
自分たちの得意な治療ではなく、患者さまにとって最も良い方法をご提案するよう心掛けております。
精度の高いインプラント治療「SimPlant(シムプラント)」

SimPlant(シムプラント)とは、インプラント治療における診査診断とインプラント手術のシミュレーションソフトです。
CT撮影のデータを再構成した3D画像により、多角的な測定やインプラント埋入シュミレーションができます。
インプラント治療の際の安全性や、仕上がりの審美性をあらゆる角度から検証できますので、より実用的でリアルなシュミレーションが可能です。
また、患者さまご自身も、ご自分の口腔内の状況を立体的に見ることができますので、治療に対する理解を深めて頂けるかと思います。
また、手術時には、シムプラントの治療計画をもとに、シムプラントでシミュレーションした通りの位置にインプラントを埋入するためのサージカルステントを作成します。
これにより、綿密なインプラント埋入計画を確実に手術に反映させることができます。
拡大鏡やマイクロスコープによる精密治療

当院では、インプラント治療においても拡大鏡やマイクロスコープを使用することで、より精密で侵襲の少ない治療を行っております。
インプラント治療のような外科的侵襲が大きい手術の場合、治療中は麻酔により痛みが抑えられていたとしても、麻酔が切れた時にどうしても腫れや痛みが生じてしまいます。
この腫れや痛みは手術時の侵襲度合いに比例するといわれており、手術時の侵襲をなるべく抑えることで手術後の痛みや腫れを減らすことが出来ます。
拡大鏡やマイクロスコープを使用することで、最小限の傷口で的確な位置にインプラントを埋込することができるため、術後の腫れや痛みの軽減のほか、治療期間の短縮や通院回数の減少なども期待できます。
当院では拡大鏡を必ず、マイクロ―スコープは可能な限り使用し、患者さまに質の高い精密な治療をお届けできるよう努めています。
【抜歯即時埋入】手術の回数と期間を短縮
抜歯した日に同時にインプラントを入れる方法です。
すべての方に適用できるわけではありませんが、外科の回数と治療期間が短縮できることが最大のメリットです。
抜歯即時埋入では、通常の治療と違い、手術の際に抜歯からインプラントの埋入、可能ならば仮歯の取り付けまでを行います。
手術後は2~4ヶ月の期間をおいてから、型取りをしてかぶせ物を作製し、取りつけます。
手術の回数を少なくすることができますので、手術の負担を軽くすることができます。
※抜歯即時埋入はすべての方に適用できるわけではありません。
事前にしっかりとカウンセリングを行い、可能であるかどうか判断いたします。
安心の5年保証

治療完了日より5年間は、当院規約に準じての自費治療補綴物につき無料保証致します。
ただし口腔内のメンテナンス及び検診の為、原則として当院の指定する健診にご来院いただくことを条件とさせて頂きます 。
顎の骨が薄いため、インプラントは難しいと言われた方へ

あごの骨に、インプラントがきちんと埋まるだけの高さと厚みがないとインプラント手術は難しくなります。
足りない部分からインプラントが飛び出てしまうからです。
歯が抜けてしまった箇所の骨は、患者さまの年齢が高くなるほど骨(歯槽骨)の高さが低くなり、厚みもなくなっていることが多く、特に日本人の場合は、欧米人と比べて骨が細いので、このような問題が発生しやすくなります。
そういった問題を解決するために、不足している骨を再生する方法がいくつも開発されています。
それぞれ高い知識とテクニックが必要な手術ですので対応できる医院は限られていますが、当院ではそのような新しい技術も駆使し、骨が少ない場合でもインプラント治療を受けれるよう環境を整えております。
サイナスリフト
サイナスリフト (Sinus-lift procedure) とは、サイナス(上顎洞)と呼ばれるスペースに人工骨などを移植することで骨を増やす治療法です。
上あごの奥歯の部分に対して行うことが一般的で、患者さまの上あごの状態に合わせて、人工骨によりインプラントを植立できる厚さをつくります。
かつては、さまざまな理由によって「上あごの奥歯にはインプラント治療ができない」というケースも多くありましたが、このサイナスリフトが確立されたことによって、上あご奥歯にもインプラント治療ができるようになりました。
但し、治療期間が6ヶ月~1年と長めであるということや、手術の難易度が高く患者さまの肉体的な負担が大きい事というデメリットもあります。
その為、骨を多く再生する必要がある場合(歯槽骨の高さが5ミリ未満の場合)にサイナスリフトを使い、歯槽骨の高さが4ミリ以上ある場合は、次で紹介するソケットリフトを用いることが一般的です。

ソケットリフト
ソケットリフトとは、サイナスリフトと同じく、上あごの骨が少ない場合に行う手術です。
通常、歯槽骨の高さ(厚み)が5ミリ未満の場合はサイナスリフト、4ミリ以上ある場合にはソケットリフトが行われます。
上あごの上には上顎洞という空洞があり、その空洞と歯を支えている歯槽骨は、とても近い位置にあります。上あごの奥歯が抜けると、それまで歯と結合することによって高さを保っていた歯槽骨が吸収されていき、上顎洞までの骨の高さが不足して、インプラントを埋め込むことができなくなってしまいます。
しかし、インプラントを入れたい場所から上顎洞に向けて人工の骨を入れることで、上顎洞までの骨の高さを増やし、そこにインプラントを埋入する方法が開発され、インプラント治療が可能になりました。その方法がソケットリフトです。
ソケットリフトは、サイナスリフトに比べると、患者さまにとって時間的、肉体的、精神的に負担の少ない治療法です。手術後も、より安定を期待できるため、比較的多く行われる方法です。

GBR法
GBR法とは、特殊な膜で覆うことによって、骨が不足している箇所に「骨を作るためのスペース」を確保し、その中に「骨のもとになる素材」を詰めて骨の再生を促していく方法です。
インプラントの埋入と同時に行える場合と、先にGBRのみ行う必要がある場合があります。
歯が抜けてしまうと、それまで歯を支えていた歯槽骨は急速に吸収されていきます。
インプラントを行うには、歯槽骨にある程度の「高さ」と「厚み」が必要なのですが、吸収によって高さが低くなっている場合と、厚みが足りなくなっている場合の、大きく分けて2つのケースが存在します。
GBR法は、ある程度までの骨吸収に対しては、「高さ」と「厚み」、そのどちらにも対応することができます。しかし、上あごの奥歯の場合にはGBR法では対応できず、ソケットリフトやサイナスリフトでなければ対応できないケースもあります。
